近鉄の『新型車両』製造工場から車庫までの移動に密着!見守ったファン「見た目が新鮮」「また新しい風が入ってきた」(2024年5月31日)

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Published 2024-05-31
今年10月にデビュー予定の近鉄の新型車両。“夜の大移動”を鉄道ファンらが見守りました。

 5月31日午前2時前、平日の深夜にもかかわらず東大阪市にある工場の前には多くの人が集まっていました。彼らが待ちわびていたのは、近鉄が今年10月に運行を開始する新型車両です。

 (記者リポート)「午前2時をまわりました。今、近鉄の新型通勤車両が工場から出てきました」

 (見学者)「新鮮ですね、見た目が。今までにないような色しているんで」
 (見学者)「いいっすねー。なんか新鮮というか、また新しい風が入ってきた」

 「一般車両」のリニューアルは約四半世紀ぶり。近鉄にとってまさに一大プロジェクトです。

 今年1月、工場では新型車両のパーツを組み上げる作業が始まっていました。通勤などで使われる一般車両の刷新といういわば“近鉄のリブランド”を託されたのが車両設計一筋の喜多陽平さん(36)です。

 (近鉄・技術管理部 喜多陽平さん)「(設計の)紙から始まったのが、台枠ができて、これから六面体になると思うと、いよいよですね」

 この日は完成の出来を左右する車両の顔=正面部分の作業の立ち合いです。こだわったのは、デザイン性。“新しい近鉄”を印象付ける未来の鉄道をイメージしました。こだわりはそれだけではありません。車内も快適性はもちろん、子連れの利用者や旅行者などにも“やさしい”設計にしたといいます。

 そのこだわりのひとつが、座席です。すっぽり体が収まる形のグリーンの座席。1両に2か所設けられていて、横にはベビーカーや大きなスーツケースを置けるようにしました。そのほかの座席も、混雑状況に応じて前向きと横向きを切り替えることができるということです。

 そして5月、外観塗装の日には、近鉄カラーの塗料が吹きかけられていきます。ベースはこの色ですが、できあがりはツートンカラーとなるため、カバーしていたシートをとって完成させていきます。近鉄らしさを受け継ぎながら、新しい息吹も感じる車両。プロジェクトの投資額は約84億円。第一弾で40両が製造される計画です。

 5月30日午後11時すぎ、新型車両はトレーラーに乗せられていました。工場での作業を終え、近鉄の車庫へと運ばれるのです。

 (近鉄・技術管理部 喜多陽平さん)「やらなければいけない整備とかも残っていますので、それをきちんと仕上げてきちんとした電車になるようにしていきたいと思います」

 24年ぶりの新型車両。いち早くその姿を見たいと工場の周りには深夜にもかかわらず多くの鉄道ファンが詰めかけました。

 (見学者)「(新型車両を)初めて見るんで、すごくなんていうか、めっちゃ緊張しています」
 (見学者) 「公式さん(近鉄)が発表したのは見ていたけど、生は初めてです。緊張しますね、ちゃんと撮れるのかなっていう」

 (記者リポート)「午前2時22分です。近鉄の新型通勤車両の陸路輸送が始まりました」

 工場から近鉄の車庫までは約15km。一般の公道を新型車両が運ばれていきます。車両が通るルートには歩道橋がかけられた場所もあり、その上にはやはり多くの鉄道ファンが。上からも車両の行方を見守ります。

 (記者リポート)「交差点に差し掛かりました。カーブをゆっくりと曲がっていきます」

 長さ約20m、重さ30トンにもなる新型車両。曲がるのも簡単ではありません。工事で車線が狭くなった場所などさまざまな難所を通過し、午前3時40分すぎ、出発から約1時間半かけて大勢の鉄道ファンが待つ近鉄の車庫に到着しました。

 この新型車両は今年10月にデビューする予定です。

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All Comments (21)
  • @masa123everfree
    「新しいカラー!」って表現もあるけど、自分なんかは過去のマルーン一色時代を思い出す
  • @user-bf4mm3du8r
    近鉄のデザインはいつも20年先を行ってるデザインだと思う。 デビューする日が待ち遠しい。
  • @NonmaruTransit
    地元民の一人として、ずっとこの時を待っていました!! 伝統の赤色が新型に受け継がれて嬉しいです❤ 奈良だけでなく、名古屋・大阪エリアにもたくさん導入されますように…❤
  • @KS-zc9fs
    正面部分をクレーンで持ち上げてるシーン、モザイクが掛かっている部分はレーザー溶接の技術流出を防ぐ為かな?
  • @user-qt8nw2xr8v
    JR西日本みたく先頭車両に転落防止の板を付けたんですね。
  • これは阪急のマルーンによりも夜間だから濃ゆい渋い色あい?に見えるんだけども かっこえぇね!
  • @bogari2970
    2000年にデビューした一部の5820系は阪奈道路を走って奈良の西大寺車庫まで陸送しました、今は陸送は高安車庫だけになりましたね 近鉄は車輛メーカーの工場で顔を作る。JRや東京の私鉄は顔だけを製造している会社から出来上がった顔を持ってきてメーカーで車体にポン着けする、いろいろ製造工法があって面白い
  • @user-ls5jj4gh6e
    近畿車輌と同じ東大阪市内にある東花園車庫に運ぶ方が八尾市の高安車庫に運ぶよりも陸送距離が短くて済むと思うのですが、そうしないのは東花園車庫には検修設備が無いからですよね?
  • @grozny76
    この、過去のマルーン1色だった近鉄車両を想い出させるカラーリングは、大正解!! 通勤車両がマルーン1色だった頃は、ちょうど「高度経済成長期→バブル期」と重なり、縁起が良いですからね。
  • @tukasa4460
    設備の都合が有るとはいえ、東花園車庫の横を通って高安車庫まで持って行くんですね。
  • @user-en9it6sg6v
    かなりの鉄道ファンがいますね。私もいつか見に行きたいですね。
  • @user-zd9mx7my8y
    凄いな。でも阪神なんば線にも入るのだろうか。
  • @okhan
    8A系、もう使える番号がないか 新8000系としたいけど8000系がまだ大量に走ってるからね
  • @user-fq5pr5kl7t
    阪神線乗り入れ非対応だけど、対応にした方がより柔軟な運用が出来ると思うんだけど… 相互乗り入れ対応にすると、開発・製造コストがより高くつくのかなぁ。 今のところ、4両編成✕10本の投入が発表されているだけで、それだとラッシュ時の10両編成が組めないので、6両や2両編成が投入されるとなれば、阪神線でも走行するかもしれないけど、近鉄は今のところ阪神線乗り入れの予定は無いと公表してるから、自社線内のみの運行になるのかなあ…
  • @shanet2010
    こんにちは。カープカラー…、もとい、ツートンカラーが良いですね。少し、京急やかつてあった、西鉄 8000形 のようにも見えますが、まったくの別物感があって、良いと思います。試運転が待ち遠しいですね。
  • @MT-iu9vb
    丸屋根たぬき顔の車両もいつまでも走り続けてほしいね